好きなことは好物を食べること
- 荒牧 直子
- 2023年11月28日
- 読了時間: 2分
ぼうけんでは、生徒自身の好きなことを学習のテーマとしていますが、Kさん・5年生(執筆当時)の作品ではなんと、嫌いな食べ物にスポットを当てています。嫌いだからこそ熱く語れるといったところでしょうか。いっしょに推敲する途中、大真面目なKさんとは対照的に私は大笑いしながら板書したのでした。
以下にご紹介します。
ぼくが好きなことは、スイカやメロンなどの好物を食べることだ。おいしいって感じるのがすきで、柿やサクランボ、桃、スモモ、マスカット、梨など、言ったら切りがないほど。
だけど、きらいなものもある。その中でも、えびは一番きらいだ。みんな「こんなにおいしいのに」って言うけれどぼくにはそれがわからない。味、プリッとした食感や、きょうれつな印象に残って近くにおいているだけでにおうにおいも無理。
そして、見た目もちょっと苦手で、口がなくて、目もしょっちゅう取れている顔、足のあの量、8本以上あって蜘蛛をこえている。背中が曲がっていてピシッとなっていないのはなぜか。ぼくが最近読んだ童話では、(中略)えびは巨大な岩にぶつかって背中が曲がったという話だ。背中が曲がっているほうが苦手なのにお節料理ではいつも曲がっている。あれは意図的に曲げているらしい。
しかも、ぼくのおばあちゃんは佐賀県の海の近くにいて海の物をごちそうしてくれるのだが、えびが無理。最近はそんなぼくを気づかって焼き肉をごちそうしてくれるのだが、ぼくは牛や豚より鶏肉が好きだ。にもかかわらずおばあちゃんの家で鶏肉に一度も出会ったことはない。
みんなえびが好きなのに、逆にぼくが好きなメロンや柿を、しんせきは「無理」っていう。これが不思議。
カリキュラム:寄り添い作文
生徒と相談しながら、よりよい文章になっていくよう共同作業を行ないます。
段階に応じて、介入の仕方を工夫しています。
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